《MUMEI》

紅茶を頂いてから、暫くの間──僕はアンリ様の御命令通り、大人しくソファに座っていなければなりませんでした。

その間も、僕はどう気持ちを伝えるべきか──それだけを考えていました。

「──リュート」

「! ‥はい、何でしょうか」

「大丈夫‥?」

「はい、何とも──」

また嘘をついてしまいました‥。

本当は、御伝えしたい事があるというのに。

もしも、僕が人間であったなら──勇気を出して告白する事が出来たでしょうか‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫