《MUMEI》
‐茉莉‐
もうすぐ冬やな──‥。

アイツに恋文を届け始めたんは──

春の始め‥

入学式の次の日やった。

夏が過ぎて──

秋になって‥

もうすぐ‥

冬が来る。

新木が返事くれるんは‥

いつになるんやろ。

来年やろか。

再来年やろか。

それとも‥

来ーひんのやろか‥。

「小坂、食欲ない?」

「‥ぇ、ぁ‥ううん、ちょっと考え事しとっただけ」

「考え事‥?」

「うん‥、ぁ、べ‥、別に新木が気にする事てちゃうねんで?」

誤魔化そう思たけど──

逆に不自然な感じになってもうた。

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