《MUMEI》
意味
午前2時、インターホンが鳴った!

カメラに、麻美が映ってた
麻美「ごめん、遅くなっちゃった」

玄関で舌をペロッと出して麻美が言った

俺「…また、居なくなっちまったのかと、思った…」
麻美「ごめん、優斗、泣いちゃった?」

俺「…」

麻美「ねぇ、何か飲ませて…」

コーヒーを飲みながら
何も話さない時間が過ぎて行った

麻美「あのね…」
俺「話があるん…」

同時だった

麻美「ごめん、優斗からでうぞ」
俺「何?麻美」

また同時だった

笑っちゃった

少し、場が和んだ

麻美「優斗から、言って」
俺「ん…じゃあ、俺から…」
「なぁ、麻美、」
「一緒に住まないか?」

麻美「えっ!」

説明の順番が逆になった…
事情を話し、麻美がようやく理解した

麻美「返事は、渡しの話の後でいい?」

俺「わかった…」

良くない話しなのかな…
そんな気がした

麻美「夕方ね、坂田さんと会って来たの」

俺「!…」

なんで…? 頭を硬いもので殴られたような気がした
麻美「電話とか、メール、しつこく来てね…」

麻美「…優斗、聞いてる?」

俺「…」

麻美「優斗違うよ!!」
「泣かないで!!」

俺、涙流れてた…

麻美「ちゃんと、お別れしてきたんだよ」

俺「なんで、俺に言わないんだよ…」

麻美「聞いてちゃんと!」
俺「お前!…」
俺は、言葉を止めた…

麻美「…聞いてくれる?」
俺「…あぁ…」

麻美「優斗が想像したような事なんてないよ…」

俺「別に想像なんて…」

麻美「嘘だ!わかるもん」
俺「で、話はついたの?」
麻美「うん、これ以上、ゴタゴタ言うなら、奥さんや会社に言い触らすって言ったの」
「警察に捕まっちゃうかもね、初めの頃、私17だもん」

俺「…」

麻美「タクシーで来たんだけどね…」
「途中で、お金なくなっちゃったから、歩いて来たんだ…」

俺「何で電話しないんだよ!」

麻美「携帯、電池ぎれ…」
俺「充電器売ってるし、公衆電話だって…」

麻美「ダメなの!」
強い声だった

麻美「私、1人のちからで、優斗の所まで行かなくちゃ…ダメだったの…」

俺「…」

麻美「…待っててくれたんだよね?」

俺「あたりまえだろ」

麻美「…でも、信じてくれてない…のかな?」

俺「何言って…」

麻美「優斗!」

麻美の顔が真剣だった

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