《MUMEI》

扉を開けると薄暗い廊下に出た。

人のいる気配は感じられないのがわかり少し安堵した。

扉を閉める際、理沙は用心深く音をなるべくたてないように閉めた。

どうやら理沙がいた部屋は角部屋らしく、
通路は右しかない。

慎重に歩いていくと三つの扉に行き当たった。

右から準に赤、白、青だった。

とりあえず白い扉を選び中を開けてみると

そこは真っ白な部屋で部屋の中央にはベット、
そして壁には一枚の大きな鏡がとりついた部屋だった。

「ここってさっき私がいたとこじゃ…」
ベッドのシーツのしわには見覚えがある。

(間違えない)

有り得ないと思うも、恐怖を感じ、扉を閉めた。

(どういうこと…?)

その時ガタンと小さく扉の閉まる音が聞こえた。
音的に先程、理沙が出てきた部屋から聞こえた。

そしてカツカツと一歩ずつ足音が近づく音がする。

(!!?)

とりあえず逃げなきゃと思い、とっさに青い扉に手をかけた。

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