《MUMEI》

◆◆◆

「‥‥‥‥‥‥‥」

「祖父さんだって──お前の泣き顔は見たくねーに決まってる」

「‥分かってる‥」

「だったらさっさと涙吹けよ、ほら」

「‥‥‥‥ありがと」

「戻るか、社」

「‥もう少しだけ‥居させて」

「おれは」

「あんたも居て。ここに」

「‥分かった」

玖珠の隣りにしゃがんで‥

手向けられた花を見つめる。

「お前の袴──」

「ぇ」

「お前の袴と同じ色だな‥って」

◆◆◆

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