《MUMEI》
‐陸‐
小坂は‥

美崎の話を聞くなり教室から飛び出して行った。

『ごめん、ちょっと気分悪いから‥‥‥保健室行って来るわ』

あいつが行ったのは保健室じゃない。

屋上だ。

「新木君」

「‥美崎‥?」

「茉莉のとこ行ってあげて」

「‥ううん、今は行かない方がいいと思う」

「茉莉は待ってるんだよ‥?」

「今僕が行っても‥あいつを慰めてやれない」

「新木君、茉莉の事どう思ってるの?」

「ぇ‥」

「好きなんでしょ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「違うの?」

「‥‥‥、僕は‥」

「何でしらばっくれてんの‥?」

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