《MUMEI》 脱出一帯を包み込む白煙。 突然のことに煙に巻かれむせ返る人たちの声。 「えっ、えっと・・・」 「バカっ、走るぞ」 男は煙の中まごつく少女と女を引っ張り、癪だが言われた通り走り出す。 無事、煙を抜け出ると小道があった。そこを走り抜ける。所どころ気を失った兵士が倒れていた。 走りながら、冷静さを取り戻した女が尋ねる。 「この先はどうするのよ。あの人から何も言われてないけど」 「そんなのわかるか。とにかく走るんだよ」 男と女は後ろを振り返ることなくは走り続けた。 あの場にひとり残った仮面の男が気になり、腕を強く引っ張られ続ける少女は足を動かしながら顔だけを振り向かせた。 耳に届く喧騒がどんどん小さくなっていく。 前へ |次へ |
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