《MUMEI》

僕は、リボンを付けた縫いぐるみと花束を、アンリ様に差し出しました。

「──わぁ‥っ」

薔薇色に染まる頬。

宝石のように輝く瞳。

「これ──私に?」

「はい、アンリ様へのバースデープレゼントです」

「──ありがとう」

アンリ様は縫いぐるみと花束を抱き締めて、とびきりの笑顔を見せて下さいました。

「大切にするね」

「御気に召して頂けましたか」

「うんっ」

その笑顔に、僕はとても嬉しい気持ちになりました。

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