《MUMEI》

僕達はまるで‥

見せ物状態。

美崎は僕の襟から手を放すと‥

俯いて拳を握り締めてた。

「美崎‥」

「‥いつ返事してあげるの‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「答えてよ」

「‥‥今はまだ言えない」

「‥!?」

「でも返事は必ずする」

「‥何で今は駄目なの‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

答えられなかった。

小坂にすらまだ話してない事を、美崎に言えるはずがない。

「どこ行くの」

「──あいつの所」


美崎にそう答えて‥

僕は屋上に向かった。

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