《MUMEI》 少し不安だったのですが、喜んで頂けて何よりです。 「ケーキを──御切り致しますね」 「ぁ、待って」 「如何なされました‥?」 「もう少し見ておきたいの。綺麗だから──」 アンリ様の視線は、ケーキに飾られた淡いピンク色の薔薇に注がれています。 「リュートが作ったんだよね、このクリームの薔薇──」 「はい。あまり──上手くはいきませんでしたが‥」 「そんな事ないよ、凄く綺麗」 「本当に──そう思われますか」 「うん、本当だよ」 アンリ様は僕に微笑んで下さると、再びクリームの薔薇を見つめていました。 前へ |次へ |
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