《MUMEI》
告白
「──失礼致します」

「ここに座って?」

アンリ様が示されたのは、天蓋付きのベッド。

「め‥滅相もございません、僕は──」

「命令、ね」

「──はい‥」

アンリ様と同じ場所に座るなど‥恐れ多くてなりません。

にも関わらず、アンリ様は朗らかな笑みを浮かべて、ちょこんと僕の隣りに御座りになっています。

「何から話そっか」

「ぇ、‥‥その‥」

あたふたしていると、クスリ、と小さく笑う声がしました。

「そんなに気を遣わなくていいのに」

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