《MUMEI》

国雄に恋人が出来たことより、彼の宿していた刃物が失われていたことに驚く。


「もしかしたら俺転職するかも。」

恋人でも驚愕だったのに、冗談止めてくれ……


「お前は一生、償いながら生きて行くんだと思っていたよ。」

俺もお前も時間が、止まっているのだと思っていた。

いつの間に一人で先に行ってしまったんだ。


「休む間もなく引っ張られるんだよ……。余生はそいつの為に捧げたい。」

そんな風に笑えるのか。
なんだよ、熱々だな。
愛とか、恋とか、今の俺には潔癖過ぎるくらいに美しい。

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