《MUMEI》

「だって──何も悪い事はしてないでしょ?」

「そう‥ですか?」

戸惑う僕に、アンリ様は只、にっこりと微笑みを浮かべてらっしゃいます。

「ねぇ、リュートの幸せって何?」


「僕の‥幸せ‥‥‥‥ですか‥?」

突然の問い掛けに、僕は戸惑いました。

幸せ──‥以前なら迷う事無く、吸血と答えていたでしょう。

ですが今は、

「──アンリ様の‥御側に居る事です」

そうなんです。

今の僕にとっての幸せ──それは、この御方の御側に居る事。

只、それだけなんです──。

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