《MUMEI》

「私も──リュートが側にいてくれると嬉しいな」

「アンリ様‥?」

「本当だよ。リュートがいてくれると嬉しいし、すっごく幸せ」

「本当に──‥」

「うん」

コクリ、と頷いて縫いぐるみを抱き締める仕草は、愛らしい事この上ありません。

「アンリ様」

「ん?」

「ひとつ──御伝えしたい事があるのですが‥」

「なあに?」

キョトンとして尋ねてこられたアンリ様。

僕は躊躇いましたが、心を決めました。

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