《MUMEI》 暫く御話をした後、御眠りになられたアンリ様の傍らで、僕は未だに高鳴る動悸を落ち着かせようとしていました。 そうしている内、 「───────」 無意識に、指がアンリ様の金髪に触れていました。 絹糸のように、滑らかな髪──。 月光を浴びて艶めいているそれは、アンリ様の白い御肌によく映えています。 もうすぐ真夜中。 アンリ様の穏やかな寝顔を見つめて、僕は感慨に耽っていました。 人形のように愛らしい顔立ち。 抱き締めたら、壊れてしまいそうに華奢な体。 その全てが愛しい。 この御方は、僕だけのもの──。 前へ |次へ |
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