《MUMEI》
思考回路
   〜歩視点〜


いきなり大声を出した俺にびっくりする海を気にする余裕もなく、俺は昨日起こったことを一気に話し始めた。


「何があったかって?こっちが聞きたいよ!!


朝教室に入ったら麗羅チャンと北川 真星がいて・・・

思ったことを口に出しちゃったら麗羅チャン怒っちゃって・・・俺の言い方が悪かったからなんだけど!


でも、だっていきなりの展開で頭回らなかったし・・・

それに、麗羅チャン北川 真星に酷いこと言われたのに何で庇うんだ!?」


俺はそこで一旦話を切った。


意図的にではなく、麗羅チャンの冷たい態度と言葉が頭をよぎり自然と口を閉ざしていたのだ。


麗羅チャンも麗羅チャンだよ!

俺の方が付き合い長いのに!!

・・・・・ちょびっとだけだけどさ。


それに俺の方が麗羅チャンのこと好きだし大切に思ってるのに・・・


でも麗羅チャンはそう思ってないってことなのかな?

今まで一緒に居た俺より北川 真星の方が大切なのかな??


自分の考えに落ち込み、ため息が漏れる。


今はこんなこと考えて落ち込んでる場合じゃないのに!!


北川 真星の魔の手から麗羅チャンを救う手だてを考えねば!!


でも今の俺に出来ることって何があるんだ?


頼みの綱の栄実も、今週は学校に来ないし・・・


かといって、麗羅チャンは俺の話聞いてくれないだろうな。


今朝だって挨拶したらプイってしたし・・・


まぁそんな麗羅チャンも可愛いんだけどさ!


涙出てきそうになるけど、ツンデレプレイだと思えば・・・・・って俺何考えてるんだ!?


頭おかしくなっちゃった??も〜しっかりしろよ俺!!


もうこの際、北川 真星と真っ向勝負でもするか・・・


でもそんなことしたら、今度こそ麗羅チャン口聞いてくれなくなるかも・・・・・


考えただけで背筋がぞくっとした。


隣に座って話の続きを待っている海の存在を忘れて俺は色んなことに考えを巡らせていた。

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