《MUMEI》

「本当っ?」

目を輝かせて訊き返されたアンリ様。

「はい、勿論です」

「じゃあ、リュートの衣装も用意してあげるね」

「ぇ、僕の‥衣装ですか‥?」

「私だけ仮装してもつまらないし──リュートも、ハロウィンをやるのは初めてなんでしょ?」

「はい──そうですが‥」

「リュートにピッタリな衣装、作ってあげるから」

「アンリ様が御作りになるんですか‥?」

キョトンとすると、アンリ様が頷かれました。

「お裁縫は得意なの。だから、楽しみにしてて」

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