《MUMEI》

ハロウィン──。

何だか楽しくなりそうです。

ですが──どんな御菓子を用意して差し上げたら宜しいでしょうか。

チョコレートやキャンディ‥ビスケット等しか思い付かないのですが‥。

「───────」

アンリ様はもう衣装の準備を始めてらっしゃるのでしょうか──。

気になった僕は階段を上がり、軽く扉をノックしました。

「リュート?」

「ぉ‥御邪魔をして申し訳ございません」

「いいよ。入って?」

その優しい声音に安堵しつつ、僕は扉を開けました。

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