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《MUMEI》 ◆◆◆ 「ねぇ刹那──」 「‥ん」 「あんた、見えて運が良かったんじゃない？(微笑)」 「‥ぇ」 「だって──見えてなかったら、今あんたは此処にいないでしょ？」 「───────」 確かに‥ そうかもな‥。 見えたりしなけりゃ── 今おれは別の暮らしをしてる。 それはそれで幸せかも知れねーけど‥ おれはこいつといる方が幸せだ。 見えなかったらきっと── こいつと出会う事もなかった。 こうやって抱き締められる事も‥ それを幸せだって感じる事も──‥ たぶんなかったんじゃねーかなって思ったりした。 ◆◆◆ 前へ |次へ |
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