《MUMEI》

 



「あの…」

クスクスッ


「さっきの子だよね…?」


「は、はい…



…くそっ、アイツ…

ごめんなさい」

「気にしてないよ(笑)」


「あの…
じゃあ分かってるかも
しれないけど


俺…美空サンのことが
好きです…」

「…ありがと。」
「へ?」

「コクってくれて
ありがと…
って言ってんの。」
「いや…そんな」


「でも、ごめんね。

私、
好きな人がいるんだ。」

「…そうなんだ。」
「うん。」

「これからは…
すれ違ったときとか
あいさつだけ…


してもいい?」


「もちろん☆」

「ありがとう!!」

そういうと
走って帰っていった。

あのでかい声の子に
バシバシ叩かれながら
笑顔で泣いてる。

なんか…温かいな。
心に日だまりみたいな
そんな感じのが
ある気がした。




 

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