《MUMEI》 「‥ぁ‥」 アンリ様は、黒いサテンの布を広げてらっしゃいました。 「その布で衣装を御作りになるんですね──」 「うん。リュートのもこれで作るの」 型紙を当て、慣れた手付きで印を付けながら微笑むと、アンリ様はその布を裁ち始めました。 「───────」 見事なまでの手捌きは、まるで手品を見ているよう。 「凄いですね──」 「ぇ‥?」 「アンリ様は凄いです」 僕が言うと、アンリ様はうっすらと頬を染めて俯かれました。 前へ |次へ |
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