《MUMEI》

あまり長居をしては失礼と思い、昼食の支度もあったので──僕は御部屋を後にしました。

僕の衣装も作って下さると仰っていましたが──どんな衣装になるのでしょう。

そして何より、アンリ様の衣装が気になります。

ハロウィンの仮装──‥僕はあまりよくは知りませんが、何だか楽しそうです。

ふと懐中時計を取り出して開いて見ると、もう11時。

空想に耽ってばかりはいられませんでした。

僕は仕事をしなくては。

「さて──」

キッチンへ急ぎましょう。

「‥ぁ」

そうでした──。

その前に、食料庫で食材の調達をしなくては。

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