《MUMEI》

さっきの台詞は全て青年の演説だ。街の人間への避難勧告と、兵隊の数を揃えるための勧誘。

かなり高慢な言い方だったが、それでも200もの入隊経験者が集まった。

「人数は上々だ。武器も揃ってるし、医者の数も十分だ」

200の内、20が医療関係に詳しい人が混じっていた。これは嬉しい誤算である。

「これから部隊を編成しようと思う。20人の小隊を各自で作ってくれ」

かなり適当な組み方である。こんなんでいいのだろうか?

「でだ。条件として医者が二人ずつ入っている事と、小隊は全員で20人までだ。それ以外は好きにしてくれ」

という最低限のことだけだったので、編成はすぐに終わった。

「OK、部隊番号は左から1だ。んで全員トランシーバーは持ったな?」

おぉ、と強い声が返ってくる。これなら問題無さそうだ。

「そしてみんな、聞いてくれ。これが一番大事なことだ」

そう言って、先程までのヘラヘラした笑いを取り去り、真剣な顔になる。

「今からする戦いは、守る戦いだ。絶対に、オレの指示に逆らわないでくれ」

言って息を吐き出し、大きく吸い込む。

「基本的な戦い方から説明させてもらう」

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