《MUMEI》 アンリ様がミシンの場所を御捜しになっているのは、僕が来る前にいたメイドが、何処かへ片付けてしまったからなのだそうです。 1番置くの御部屋の鍵を開けた時、 「──ぁ」 ようやくミシンを見付けました。 「これ──ですよね」 「うんっ。ありがとう」 アンリ様は早速、ミシンに糸を掛け始めました。 そして黒いサテンを手際良く縫っていきます。 やはり、手慣れてらっしゃいます。 裁たれた布は、瞬く間にローブのような形へと変わっていきました。 前へ |次へ |
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