《MUMEI》

僕の作った御料理を、アンリ様はいつも喜んで召し上がって下さるので、本当に嬉しくなります。

「御代わりを如何ですか?」

「うん、じゃあもう少し──」

空になった御皿に新しく御料理をよそって差し上げると、アンリ様はにっこりとして再び御食事を始めました。

「ぁ‥、そういえば‥」

「どうなされました‥?」

「ランタンも作らなきゃ」

「ランタン‥とは‥?」

「カボチャをくり抜いて、中に火を灯すの」

「ハロウィンの飾り──ですか」

「うん」

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