《MUMEI》

金原先生は世界史の教員であり放送部の副顧問で、俺が三年になってからやっと話せるようになるくらい疎遠だった。
30前半独身で部活動も放任主義、放送のいろはは先輩から全て教わった。



「あ、いや、……木下ってひ弱いから、女みたいだなとか……あれ?」

だから、こんな先生にしてもらう理由は無い。
金原先生自信も混乱しているようで片手は俺の腕を締め付けられる一方で頭を抱えている。


「俺、ちゃんと男ですから……は 離し……」

何だっけこれ……
そうだ、学校祭の鬼怒川の時だ。


「細い……柔らかい……」

金原先生の指が深く食い込む。
触られるの、怖い。
怖い…………

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