《MUMEI》

グラスの御水を少し御飲みになってから、再びアンリ様は続けます。

「それでね、他にもオーナメントを飾り付けたりして──」

「それは本当に楽しくなりそうですね」

「うんっ」

アンリ様──そして僕にとっても初めての、ハロウィンという御祭。

今から楽しみです。

「あの、厚かましいのですが──」

「ん‥?」

「飾り付けやランタン作りは──僕がやらせて頂いても宜しいですか」

「リュートが?」

「はい、‥アンリ様が宜しければ」

「いいよ、勿論」

「──有り難うございます」

「ぁ‥、ちょっと待ってね」

「アンリ様‥?」

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