《MUMEI》

唐突に席を御立ちになられたアンリ様。

何かを思い付かれたようですが──。

「ごめんね、食事中に席立って‥」

御戻りになったアンリ様はスケッチブックを手にされています。

「あのね、これがハロウィンのランタンなの」

開かれたページには、中身と、目と鼻、そして口がくり抜かれたカボチャが描かれています。

「顔もくり抜いて作るんですね──」

「うん」

「くり抜いた中身は──御菓子に使えますよね」

「私、クッキーがいいな」

歌うように、アンリ様が仰いました。

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