《MUMEI》 私の部屋に入ると、私達はそろって大きなため息をついた。 「ごゆっくりー♪」 ママは、私にとびっきりの笑顔でそう言うと、 お買い物に行ってくるわね、と椎名くんに告げて家を出た。 …気を利かせたつもりなんだろうな… ―…そんなんじゃないのに!! 「なんか、お前の母ちゃんって…」 椎名くんが困ったように笑う。 「ごめんね、早とちりで…」 私が言うと、 「はやとちり??」 キョトンとした顔で、椎名くんが首をかしげた。 「―…ううん!!なんでもないの! …準備、しよっか!!」 …椎名くんは、ママの勘違いに、 欠片も気付いてないんだろうなあ… そう思うと、意識しすぎてた自分が、 なんだかすごく恥ずかしく思えた。 前へ |次へ |
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