《MUMEI》

「暫くこうしていてもいい?」

「──はい、どうぞ」

そう答えたものの、動悸が凄いです‥。

熱がある訳でもないのに、体が熱くて‥。

頭がボーッとして‥何も考えられなくなります。

それでも、幸せなんです。

愛しい御方が、側に居て下さる──。

本当に嬉しい事です。

「有り難うございます、アンリ様──」

「───────」

「アンリ様‥?」

どうやら‥転た寝をされているようです。

衣装を作られて──御疲れになったのでしょう。

御目覚めになられるまで、暫し待たせて頂く事にしましょうか──。

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