《MUMEI》 「本当に‥嫌じゃなかった?」 「はい。愛らしい寝顔を拝見出来ましたしね」 僕の言葉に、アンリ様は再び頬を染めて俯かれてしまいました。 「ぁ‥申し訳ございません‥。つい‥その‥」 「ふふっ」 「アンリ様‥?」 「やっぱり楽しい」 「ぇ──」 「リュートといると楽しいよ」 「───────」 嬉しくて、ですがどうこの喜びを表すべきかが分からなくて、ただアンリ様を見つめていました。 碧い瞳は、磨かれたサファイアのようで、僕の目を惹き付けます。その瞳に、濁りは微塵もありません。 いつでも御自身の御心のように清らかで、透き通っているのです──。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |