《MUMEI》

「どうした? まだ食い足りねぇのか?」

「そ‥、そうでは無い。只、拙者もそれなりの修行は──」

「分かってるよ、囲んでた男五人の内二人も倒せりゃ上等だ」

「だが‥しくじったな‥」

 雛菊は昨夜、町の死角で五人の男に取り囲まれた。

 二人は剣術で何とか振り切ったが、残る三人にはまるで歯が立たなかった。

 間一髪、若人の侍が、雛菊に触れる寸前の白刃を自身の刃で受け止めたのだ。

 それがこの男、草助である。

 故に雛菊は、草助を慕い彼に同行しているのだ。

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