《MUMEI》

それから15時間経った今は、すでに戦闘は開始されていた。

「おい5番と8番! お前ら中央の配置だったな? 現状どうなってる!?」

青年の怒号と言える声がトランシーバーに叩きつけられる。

『こちら5番! 何とか抑えれてはいるが、3人も負傷して2人死んだ! 実質13人で頑張ってる!』

そう返事が返ってくる。続いてもう片方の部隊からも、

『こちら8番! 5人も果てて2人が足手まといだ! 10とちょっとじゃ厳しいぜ!?』

少し想定外な人員の減り方だった。

「くそ…数が減りすぎてる…」

『おい、そっちから指示は無いのか!?』

急かす声。だけど焦ってはいけない。焦れば焦るだけミスを招きやすくなる。

「把握した。こっちからそれぞれ5人ずつ増援を送る!」

「他はどうだ? 1番と6番! 今の人数と状況を教えろ!」

『こちら6番、まだ誰も怪我してないしこっちが有利だ』

『1番です。6番さん同様にこちらが有利で負傷者いません』

必要な情報の返事はすぐに返ってきた。

「よし、じゃあそっちから3人、5と8番に送ってくれ! 他は無いか!?」

青年はすぐ側の時計を見る。

あと7時間でターゲットがゴールする。それまで持つか…?

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