《MUMEI》

「うんっ、魔女」

アンリ様はクルリと回ると、

「似合う?」

ワンピースの両裾を少し持ち上げて尋ねられました。

「はい、とても良く御似合いです」

これら全てを御自分で御作りになったのですから──、やはりアンリ様は凄いです。

「リュート、凄く似合ってる」

「ぁ‥、有り難うございます」

何だか少し恥ずかしいですが──嬉しいです。

さて、御菓子を差し上げましょうか。

魔法をかけられてしまっては、大変ですからね。

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