《MUMEI》
料理の量
(…ん?)


乾杯の後、料理を食べ始めた俺は、ある違和感を覚えた。


それは、料理の量。


(少な過ぎじゃないか?)


料理は中華料理だから、大皿に盛られていたが、明らかに量が少なかった。


普通、男より女の方が食が細いといっても、…


(やっぱり、おかしいよな)


クリスマスパーティーの時には、余る程の料理があったかから、俺はひたすら首を傾げていた。


そこに


「「お待たせ!」」


秀さんと志穂さんが慌ててやってきた。


秀さんは、追加の料理を


志穂さんは、追加のケーキを


それぞれ、持ってきたのだ。


そして、二人は


何故か、俺を見て目を丸くしていた。


(…何だ?)


頭を下げると、二人は珍しくぎこちない笑顔を浮かべた。


そして、そそくさと二人は高山家を後にした。


(何なんだ?)


元々食の細い俺は、居心地の悪さもあり、追加の料理には手を出さなかった。


(まぁ、これは別腹だけど)


そのかわり、ケーキはしっかり頂いた。


「祐也、甘い物好きなんだ」

「まあな」


頼の質問に、俺は正直に頷いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫