《MUMEI》

「草助──」

「ん‥?」

「拙者は武士には向かんのだろうか‥」

「どうしたんだよ、さっきまであれ程自信ありげに言ってたじゃねぇか」

「‥いや、やはり拙者は──」

「なら、稽古つけてやるぜ?」

「‥ぇ」

 雛菊は俯いていた顔を上げ、草助を見た。

「お前が‥?」

「おう、これでも一応、武士やってるからな」

「───────」

 暫し腕組みをして考えた後、

「よし‥では宜しく頼むぞ、草助師匠!」

雛菊が言ったその言葉に、草助は唖然とした。

「し、師匠‥?」

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