《MUMEI》
一輪のガーベラ
「……鞄取りに行った方がいいですよ。教室の前で待ってますから。」

安西は帰ろうとしていたらしい。
……本当なら保健室で休むところだったのだけど、七生を思い出して気が休まらない。


休もうかな
休んでしまおうか?


今日は模擬試験前の講習なのに

勉強とか、七生がいなきゃ意味が無いよ。


「……どうしました?怖かった、とか?」

安西に指摘されて体が小刻みに震えていることに気付いた。


「俺ってば駄目だあ……」

涙ばかり出てきそうになるし、弱い。

結局、安西と帰ってしまった。
気遣いが自然で何も考えなくていいから楽だから。

安西のマスクは花粉症の為のマスクで今年はあまりに酷いから病院に行く決意をしたらしい。
ついでに病院までついていったりして。

待合室でなんだか空しくなった。

かみさま、何故俺から七生を取り上げたんですか?

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