《MUMEI》 「それでな、言ってやったんだ。 親父に。 “野球は個人プレーじゃダメだ”って。 “幾ら一人がずば抜けてうまくても、 意味が無い”って。」 「キレただろ?」 「うん。 最初はな…。 でも何回も本音をぶつけたら、 渋々納得して貰えたよ。」 「蓮翔ちゃんの父さんが?!」 「うん!!」 凄いな。 俺は改めて蓮翔ちゃんを見やった。 今のようにチームメイトとふざけ合ったり出来たのは、 蓮翔ちゃんが必死に蓮翔ちゃんの父さんに抗議したからだ。 どれぐらい勇気を振り絞ったのだろう。 「颯ちゃんも、本音をぶちかませば良いじゃん!」 「無理だよ。」 「どうして…?」 俺は口には出さずに、 胸中で呟いた。 俺と蓮翔ちゃんとでは違うんだよ…。 そうして、ある日のことを思い出していた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |