|
《MUMEI》 LAST10ボクの最期の10日間が始まった。 ボクは家族に隠して罪を犯した。 過去に同じ罪を二度くり返した。 その度に深く反省し 家族に助けられ もう同じ過ちはおかさないと心に誓ったのに…。 また同じ事をしてしまった。 原因は前回とは全く違う。 ボクの心の問題だと思う。 前回の事は その時にすべて解決したが 家族との心の関わりは悪くなった。 ボクが家族に隠して犯した罪なのだから仕方がない。 でも それから心の中を冷たい風が吹き続けた。 家族にとってボクの存在って なに？ 世間体を保つため？ 生活をしていくため？ ボクはだんだん家族と距離を置き始めた。 家にいても落ち着かなかった。 ある時から買い物をたくさんすると 気持ちが軽くなる事に気づいた。 たくさん買い物をするようになった。 でも家族は誰も いつまでも気づかない。 また 罪を犯した。 それからは その罪を ひたすら隠す事で 生活を保つ事しか 考えられなくなった。 そう また前回のように 自分では抜けられない穴にはまってしまった。 相変わらず 愛のない生活。 ボクの心は どんどん荒んで ヤケクソになって 罪を犯し続けた。 でも最近になって 家族のちょっとした出来事から 家族との会話が増えた。 また家族を愛おしく思えるようになってきた。 今が楽しい。 こんなに幸せな気持ちに満たされたのは何年ぶりだろう。 でも・・もう遅かった。 ボクはもう取り返しのつかない罪を・・ 三度目の罪を犯した。 人として許されない…。 そして・・・ ボクは決めた。 あと10日でボクの人生を終わらせる事を。 本当は もう一度やり直したい。 でも この罪を家族に打ち明ける事すら もうできない。 今さら後悔しても遅い。 三度目は人として許されない。 ボクの始末はボクがつけないと。 家族の行事がある。 それが終わったら・・。 こうして ボクの最期の10日間が 始まった。 次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |