《MUMEI》 「‥おお‥、なかなか綺麗な形をしているな」 感心したように呟いた雛菊を見るなり、草助が思わず苦笑する。 「お前、変わってんだなぁ」 「な‥っ、何が可笑しいというのだっ」 「わりい、わりい‥。けど、何か面白ぇ奴だなってさ」 「面白い‥?」 「ああ、お前みてぇな奴に会ったのは初めてだ」 草助が笑い掛けると、雛菊は小首を傾げて考えこんでいる。 すると。 ぐぅぅ、と彼女の腹の虫が鳴った。 「遠慮してねぇで食えって」 又も笑われ、雛菊は頬を赤らめた。 (無礼者め‥) 心の内でそう呟きつつ、雛菊は握飯に齧り付いた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |