《MUMEI》

「おー、食いっぷりいいなぁ」

「ぅ‥煩いっ。お前に言われたくは無いわっ」

「だから怒るなって──」

 草助は既に握飯を平らげ、ごろり、と畳の上で横になっていた。

「草助‥お前は本当に侍か‥?」

 あまりに武士にそぐわない振る舞いに、疑わしくなったのだろう。

 雛菊が呆れて尋ねた。

 すると、返ってきた返事はこうである。

「一応、な」

 それを聞いた雛菊が、内心、ふざけているのでは無いか、と疑ったのは言うまでもない。

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