《MUMEI》 入ってきたのは金原で、金原はおれを見るなり 「よかったあ〜」 と、胸を撫で下ろした。 「どうしたの??」 青木が尋ねる。 …話が逸れてくれて、助かった。 なんか怖えんだもん、青木。 「それがさ…」 金原が話すには、こうだった。 昨日、お祭りの最中に、 3年の西城先輩が何者かに襲われた。 怪我は大したことは無いが、 人通りの少ない場所で発見され、何も盗られていないため、 先輩に恨みのある者の仕業かもしれないと噂されてる。 「イケメンだしね〜。フられた女か、 女盗られた男からの恨みかも」 と、金原は付け足した。 金原はこの噂を今朝聞いて、 先輩とその日一緒だったはずの蓬田のことを思い出し、 慌てて教室に駆け込んだそうだ。 「…でもね、先輩は『転んだ』で通そうとしてるらしいよ」 「何それ」 「さあ??…襲われたってのが恥いんじゃない?」 青木と金原の会話に、ほっとする。 まあ、やましいことだらけで、 警察行けるわけねえよな。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |