《MUMEI》

「それにしても、よく無事だったね!!
その時まで一緒にいたんでしょ??」


「いや、まあ…
あ、ほら、犯人も1人のときを狙ってたんじゃねえの??」


「なるほど」



金原と話しながらも、
青木の視線がおれに向いてるのを感じて、居心地悪い。



「かなめ!!」


「先輩のこと、聞いた!?」



それから次々に色んなやつらが来て、
おれはたちまち取り囲まれた。


噂って、怖えな。



おれは俯いて黙ることにした。

…そうしておいても、おれの代わりに
金原が勝手に話してくれるだろう。



「みつる!!」



瀬田の声が、聞こえた。

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