《MUMEI》

襖を開け、男は布団の横に正座をする

すすすっ

襖が開き
それはそれは妖艶でなんとも言えず美人な女が入ってきた

「狐の娘だな」

「はい」

「俺の夢に出てくる」

「わたくしが、出たくてそうなっているとでも、お思いですか?」

「わしは、お前なんぞ知らん、勝手にお前が出て来たのだ」

「まぁ…そうでしょう、わたくし外には出ませんから」

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