《MUMEI》
震える指先
『は…すみ…』


『右京…だよ、真人』

そう言いながら〜蓮見の手が、頬に触れる。


『真人…好きだ!』
唇に細長い指先が触れて…顎へと滑らせる。


蓮見の端正な顔が〜徐々に近付いて…唇を塞がれる…


『う…んっ…はっ』
甘いため息が洩れる…頭の中が麻痺してくる…


…ヤバい…押し退けなきゃ…その思いとは、裏腹な〜もう1つの感情に支配される…。


まだ…こうして居たい…え?何を…オレは…


『真人?』
オレの顔を不安そうに覗き込む蓮見の顔が〜

いつもの顔じゃなくて…可愛く見えて、笑ってしまった。

ああ…こいつは〜目一杯大人ぶってたんだな〜と…

微かに震えた指先、不安そうな顔…なんだ…やっぱり普通の18歳なんじゃん…

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