《MUMEI》 僕は、アンリ様と2人でトランプを捜していました。 すると、棚の引き出しからセピア色の古びた小箱が出てきたのです。 「アンリ様、これは──」 僕がそれを取り出して示すと、 「あっ」 アンリ様は何かに御気付きになったらしく駆け寄って来られ、小箱をご覧になるなり嬉しそうに、 「ここにあったんだぁ」 そう仰り、僕に微笑み掛けて下さいました。 「ありがとう、見付けてくれて──」 「この小箱に入っているんですか‥?」 「うん。だいぶ昔のだから色褪せちゃってるけど──」 苦笑しながら仰り、アンリ様は僕の手から小箱を御受け取りになりました。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |