《MUMEI》
お袋さん
朝8時 麻美に電話をかけさせた

麻美『…もしもし…』
  『…うん…』 
  『元気だよ…』 
  『今、近くに居るの』  『…うん…』

麻美「ふぅ…なんか緊張したぁ…家に来なさいって」
俺「俺が来てる事言わなかったろ」

麻美「あっ…」
 
 
麻美が呼び鈴を押す

麻美母「麻美!まったく、心配かけて!」
「あら、…」

俺「おばさん、ご無沙汰してます」

麻美母「優斗君?!」
 
 
お茶を頂きながら、

俺「入院したって聞いたんですけど」

麻美母「もう、大丈夫よ」「普通に働けるし、麻美から聞いたの?」

俺「はい」

おばさんが麻美を見た

俺「おばさん、俺達、一緒に暮らす事にしたんです」
麻美母「!」

いきなり切り出した俺

麻美「…」

麻美母「一緒に来るから、もしかしてって思ったけど…」
「優斗君、反対はしないけど…少し急ぎ過ぎじゃないかしら」

俺「訳有って、朝早く押し掛けてきたんです、すみますん」

麻美母「急ぎ過ぎって、時間の事じゃなくてね…」
「一緒に暮らさなくても、お付き合いは、出来るでしょ」
 
ナイスボケ!
なんて、思ってる場合じゃないよね

俺「すみません、もう、決めたんです、来週引っ越しなんです」

麻美母「…」

麻美「…」

俺「麻美、良く話し合ってね、俺、車に居るから」

麻美「優斗…」

俺「前をしっかり見て、正直に話してごらん、親子なんだからさ」

俺「おばさん、いきなり来て、こんな話しして、すみません」
「席、外してますから、」
麻美「優斗、居て、ここに」

俺「…でも」

麻美「お母さん、ごめんなさい」

麻美が、正座で頭を下げた
麻美「いい加減な気持ちじゃないの」
「だから、しっかり、解決させなきゃいけない事が、いっぱい、あるの…」

「私が、いい加減な事、たくさんしてきちゃったから…」

麻美母「そうね、後先考えず、勝手な事したんだものね」

麻美「優斗には、全部話したの…」
「だから、私は、聞かれて困る事は、何もないの…」
「同席してもらっていいですか?」

麻美が、敬語になってる…
麻美母「全部って…あんた…」

麻美「…全部…話したの…」

麻美母「…そう…優斗君、それでもいいって?」

麻美「…うん、今は、そう言ってくれてる…」
「正直、先はわからない、不安もいっぱいあるけど…」
「今は、私が求める道を、進みたいの…」

麻美母「…」

長い沈黙だった…

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