《MUMEI》
僕の願い
欄チャンは帰って来て、金本くんが今日も話しかけてくれたのっと言ってから1言も言葉を発していない。


欄チャンは僕を抱きしめたまま、転がっていた体を起こしベットに座った。


膝の上に僕を乗せて欄チャンはため息を1つついた。


最近の欄チャンの心の声は、葵チャンが金本くんのことを好きだと知ったあの日より聞き取れるようになっていた。


(葵の恋、応援したい……葵は明るくてみんなに分け隔てなく接してて、すごくいい子だし私も葵のこと大好き。


葵は私の親友であり私の理想の女の子。


金本くんもすぐに葵のこと好きになるだろうな……


それが、それが悲しいなんて私どうかしてる。


親友の幸せが願えないなんて最低だよ……


金本くんに話しかけられて喜ぶなんて間違ってる)


欄チャンの心から漏れる声に僕は思わず声を上げる。


“欄チャンは間違ってなんかないよ!


欄チャンだって……欄チャンの方がずっとずっと金本くんのこと見てきたじゃん!


欄チャンも金本くんのこと好きなんだから、葵チャンの幸せ願えなくても……仕方ないよ。


欄チャンは最低なんかじゃない!”

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫