《MUMEI》

「だー!!
どうして颯馬は陸上もゲームも強いんだー!!」


「それはな…。」


「え……何?
何かあるのか?」


「俺が……。」


「うん……。」


「天才だからだよ。」


「………。

あのなあ、そう言うこと真面目な顔して言うなよな!!」


「プッ騙されてやんの。」


「あー?
何笑ってんだよ!!」


こんな楽しい一時は、
もう二度と来ないなんて、
この時の俺は知るよしも無かった。


ずっと…永遠だと。


当たり前のように、
この一時を過ごしていたんだ。


そう。


俺が家に帰るまでは……。






「ただいま〜。」


「颯馬っ!!」


「へ?何母さん…?」


友達の家でたっぷりと満喫した後、自宅に着いた。


ドアを開けて、
玄関を覗くと、
母さんが泣き叫びながら俺を出迎えた。


「ど、どうしたの?」


「逃げましょう、颯馬。

此所にいたら、あなたは殺されるわ。」


「え?
何母さん…どう言う意味?」


母さんの突然の発言に戸惑ってしまった。

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