《MUMEI》
親子
麻美母「優斗君、しばらく席外してもらっていいかしら」

俺「はい、わかりました」
俺は車で待ってた

いけねぇ、手土産も持たずにきちゃった…

自分達の都合だけで押し掛けたんだから、
印象悪いよなぁ

そんな事を考えてた

反対されるかも…

このまま麻美、外に出してもらえなかったりして…

1人で居ると、悪い方にばかり、考えてしまう

お袋さんの具合悪いなら
麻美を置いて帰る事も…

そう、思ってた
 
 
昼近くになって、麻美に呼ばれた

麻美「待たしてごめんね」
俺「かまわないよ、どうだった?」

麻美「お母さんが、話ししたいって…」

麻美の顔色が曇る、
良くない結果なのかな…
 
俺は、再び、お袋さんの前に…

麻美と2人で正座した

お袋さん、正座して待ってるんだもん、

麻美母「優斗君、麻美を連れて来てくれて、ありがとう」

麻美母「貴方たち、もう子供じゃないんだから、
どうこう言うつもりは無いのよ」

「でもね、母親として、しなくちゃならない事ってあるの」

「優斗君も知ってると思うけど、麻美が交際してた人はね、あまり良くない人なの…」
「優斗君の気持ちは、とてもありがたいのよ」
「けど、けじめはキチンとしなくちゃダメなの」

お袋さんがお金を出した 
麻美母「包みもなくて、失礼なんだけど」
「優斗君が立て替えてくれたお金は、お返しします」
俺「…」

麻美母「これは、麻美が送ってくれたお金なの…」
「どんなに困ってもね、
こんなお金は受け取れないのよ、」
「母親だったら、みんな同じだと思うの」

麻美が涙を流した

麻美母「受け取って下さいね」

俺「…はい、出すぎたまねして、すみませんでした」
深々と頭を下げた

麻美母「優斗君、ありがとう、気持ちはとてもうれしいのよ」
「麻美を気づかってくれて」
「ほんとに、ありがとう」
お袋さんが、頭を下げた

いつも、笑顔で、優しかった麻美の、お袋さん

強い意志と気持ちが伝わってくる

芯がしっかりした、大人なんだと、思った

自分達が浅はかに感じた

麻美「お母さん、優斗」 「ごめんなさい、
全部、私がいけないの、」
麻美が頭を下げた

麻美の涙が畳に落ちる音がした

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